プロジェクトストーリー
CASE 02
強化段ボール誕生秘話
時代を先取りしすぎたものの今や会社のひとつの柱に。
段ボール製造を行うものとして、さまざまな一般段ボールをつくり続けている我が社。商品の差別化を図り、企業としての特徴づくりを考えるのは日常茶飯事。というのも段ボールというのは、どこのメーカーがつくろうが同じようなものができてしまうものだから。生き残っていくためには、品質、サービス、提案力といった総合的な特徴をユーザーにアピールすることが必要不可欠なのです。とはいっても、素材として特徴のある製品が欲しい!!!と誰しも思うもの。他社に先んじて新しいものを手がけることは大切です。
通常、一般段ボールで梱包できる内容物の重量は40〜50kgまで。それ以上の重量がある場合、梱包には主に木箱を用います。この木材にとって代わるほど丈夫な段ボール素材との出会いが、強化段ボール事業スタートのきっかけでした。
きっかけはとある展示会。まるで、ベニヤ板のように硬く、耐水性、耐圧性は一般段ボールの10倍〜20倍。木材梱包に比べて、リサイクル性が高くて重量は1/3、くん蒸処理の必要もなく、透かし梱包でないため盗難防止にもつながります。木材の梱包に必要な専門の職人も要らないため、トータルコストが安くなる。そんなこれまでにない段ボール素材に興味を持ったフジダン社長。まだ四国ではどこも手がけていないと知り、新たな設備を導入して、強化段ボールのラインをさっそく確立しました。素材の魅力に強みである設計力を活かして、内容物に合わせた梱包と折りたたんで納品できる強化段ボールを設計。さあ、四国内の市場と需要を開拓するぞ!と意気込んだものの…ニーズがない!!3年もの間、コストばかりかかって全く売れない会社のお荷物状態が続きました。
強化段ボールを広めたい、そのためには実物を見てもらうに限ると、切れ端をハガキサイズにしてDMを送ったことも。社員も半ばあきれ顔、やめればいいのにと言われてもやめないのがフジダン社長です。
そんな中、平成12年に容器包装リサイクル法が施行。やっと環境問題について世間が注目するように。世の中の常識が変わると同時に、少しずつ市場と需要が拡大していきました。ちなみに一般段ボールにも言えることですが、必ずしも紙製が良いということはありません。湿度の高い環境や形状によっては木材を使うほうが適している場合もあります。ということで、用途に応じて強化段ボールと木製パレットを組み合わせることができる、ハイブリッド化した梱包資材も設計するのがフジダンです。そんな紆余曲折を経て、今では、強化段ボールの売り上げはフジダン全体の3割を占めるまでに成長しています。
社長の考えることはいつも5年早い。そう言われても全く耳を貸さずに、これだと思う2歩先の未来を見ているフジダン社長。
常にアンテナを張っておくことって重要だなと思わせてくれる、強化段ボールの誕生秘話なのでした。