プロジェクトストーリー
CASE 01
実録!新工場ができるまで
大反対をものともせず決めた10年以上探し続けた新工場
2016年11月。大内・白鳥インターにほど近い、この地に新工場が完成、フジダンはそれまでの工場から移転しました。この工場移転計画、実はもう20年近く前からスタートしていたのです。ふとした時に、工場を移転したらいいのでは?と思ったというフジダン社長。考えると同時に動く性格ゆえ、すぐに工場移転できそうな場所を探し始めたのでした。
しかし理想に当てはまる場所を探して、あちこち回ってみるものの、条件の合わないところばかり。どこかにあるはずと新工場建設地を探し求めた年月は、なんと10数年。その間、常に新工場建設ができる場所のことは頭のどこかにあったといいます。そんな折、高速道路のインターができ、側道を通っていたときに、たまたま通りかかって見つけたのが、現在、新工場が立っているこの場所。「1/3ほど造成している山が目に留まって、よく見たら向こう側に池が見える。きれいだなという印象」。「ここに決めた!」というフジダン社長に周囲は口々に絶対にやめておけと反対。というのも、もともとここは山。整備に大変な時間と費用がかかるからです(ちなみに、整備した際に出た土の量は10tトラック3000台分!!)。さらには埋蔵文化財包蔵地に指定されているというのです。発掘するための調査費用と調査する時間がかかってしまう、それはやめたほうがいという反対意見もわからなくもありません。が、しかし、その発想にはならないのがフジダン社長。「埋蔵文化財が残っているということは、これまでに大きな天災がないということ」とケロリ。これまでも猛反対を受けても「反対を受けるということは、チャンスだ」と考えてきたため、ここでももちろん反対を押し切り、粘り強く交渉し、土地を手に入れたのです。
一方、生産本部長の久保さんは、まだ土地が決まらないうちから、あらゆることを想定してシステム建築のパターンを考えるという役割を担うことになりました。課せられたお題は、業界最長の長さ75mの生産ラインを導入できるほどの大空間をつくること。これはインクの乾燥時間や搬送ラインにいたるまで効率化された、スピード重視の生産ラインがつくれるようにとの考えから。また、井戸水を使って屋根を冷やすなど暑さ対策を施し、作業がしやすく、自動化を実現するレイアウトを事前に準備していたことで、正式に土地を取得してからはスムーズに建設が進行しました。
新工場で特にこだわったのが、食堂。鉄とコンクリートの殺風景な中で仕事をする社員がホッと一息つくための食堂は自然の風を取り込める木材を中心に使った建物に。テラスと芝生で花見やバーベキューができるようにと、当初の設計から食堂の位置を2m工場側に近づけて、広い空間を確保しました。実は建物の位置を2mずらすことで工場に防火壁の設置が必要になったそう。そのため工事中に社長と久保さんが連れだって何度も食堂の位置を確認し検討。結果的に防火壁をつくって費用がアップしたとしても、花見やバーベキューができるほうがいい!との決断でできあがった食堂は常に人が集まる素敵な空間となっています。
新工場の壁面デザインも、かねてからせっかく社名を入れるなら大きく派手にとの社長の希望。設備もフイルムを貼ったデザインで華やかに彩るなど、遊び心満載。施設や設備も、面白い!にこだわることが、会社のイメージになっていくんですね。